多彩な料理の引き出しを持つ綶(まとう)シェフ。パティシエの経験もあり、大勢のメニューを用意することの多いケータリングでもパンやカナッペの台まで、作れるものは基本作るというこだわりと人当たりの柔らかさが魅力です。今回は綶シェフにお話を伺いました。
食の感動が原動力。興味の幅が料理の幅に。
Q. ご経歴について簡単にご紹介頂けますか?
実は一番最初に働いたのはお寿司屋さんなんです。卒業してすぐ東京のお寿司屋さんに住み込みで働き始めました。その頃かな、モンサンクレールのお菓子を初めて食べて、なんだ、コレ?って。衝撃でした。それでパティシエになろうと(笑)。それでパティスリーで働いていた時、その隣がレストランで。そこのシェフと話していたら段々とまた、料理にも興味が出てきて。それが縁で料理を学ばせてもらうことになりました。レストランで働き始めて最初に感銘を受けたのがお肉なんですが、シェフがお客様に出す肉の切れ端を試食で食べさせてくれたことがあって。その時もなんだ、コレ?って(笑)。それくらいのインパクトがあって、お肉に関する知識を学びました。現在は、レストランには属さずに、出張シェフとして、お客様と直接向き合っています。
しっかり準備して出し切る。綶シェフが考える仕事の面白さ
Q. 実際にその「新しい働き方」に挑戦してみていかがですか。これまでのレストラン勤務との仕事の違いはどんなところでしょうか。
一番違うところはしっかりと準備ができること。レストランだとどうしても時間に追われますが、依頼を受けてから準備ができるので、すごく楽しいんです。しっかり準備して出し切る、っていうか。考える時間が多ければ多いほど熱量がある気がするんですよね。
それと、一番いいなというか面白いなって思ったのは料理の幅が広いことです。いろんなことに挑戦できるといいますか。創作料理で自分を表現できる楽しみがあります。
パンもカナッペも全て手作り。最も美味しくなる時間を計算した塊肉を提供。
Q. 料理を作るにあたりこだわっていることはありますか。
こだわっていることはソースかもしれません。同じタルタルソースでも野菜なのか魚なのかでも全然違いますし、若い方なら重めのクリームソースもありかな、とか。料理にアクセントを付けるのが好きなんです。既成品を使うという概念があまりなくて。手で作るのが職人だっていう、そういう教えだったんです。
Q. シェフのオススメのメニューを教えて下さい。
ケータリングだと熱いものを熱いままで出すのが難しいというのがありますが、お肉は塊で焼いたものを現地で持っていって、その場でカットすることも多いですね。肉を寝かせる時間を計算して、お肉の一番いい状態で出したいなっていうのがあるので。ケータリングで美味しいお肉料理を食べられたら、おーっ!てなりますよね。その反応を見るのが結構好きで(笑)。ローストビーフ、クリスマスの時期なら丸鶏、ターキーです。あとは、お菓子作りもできるのでリクエストを頂いた時や女性の参加者が多いような時には提案しています。
Q. 今後はどんなチャレンジをしたいですか
Green Diningではいろんな現場や機会に恵まれるので、これからも工夫しながら味の難しい料理にも挑戦してみたいですね。
綶シェフのおすすめメニュー一覧
・鴨ハムと生ハムの盛り合わせ
・ケイジャンチキンのロースト
・厚切りローストポーク〜粒マスタードソース〜
・アンチョビとクリームチーズのプチパンポット仕立て
・ライスコロッケ
・サーモンピッツァオーラ
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