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執筆者の写真GDChef編集部

企業で料理教室

料理教室は、料理技術を習得する目的の他、コミュニケーションのツールとしての役割も注目されています。企業の中で活用された一例を紹介します。


大手飲料メーカーの社員が勤務する本社ビルにて、育児休暇中の女性社員がスムーズに復職できるようにと、不安を解消するための会が人事部門主催で開催されました。復職後の勤務がイメージできるような説明会や、先に経験している先輩社員との交流などから構成されているその会には、母親だけが頑張るのではなく、家族のサポートも欠かせないことから、夫やパートナーが一緒に参加しました。そして、その中のプログラムのひとつ、「時短料理教室」は、これから子供を抱えて仕事との両立に挑むママ向けではなく、一緒に子育てに取組むパパ向けのもので、この会社の社員ではないパパも招いて開催したユニークな取組みとして、他社からの見学者が同席し、新聞記事にもなりました。

講師の小西シェフは、フレンチをメインとしながらも幅広いジャンルの家庭料理、でも普段料理とはちょっと違う、お客様向けにも楽しめる料理を、普段から自身の料理教室で教える料理家です。シェフとGreen Diningとで、以下の点を考慮しました。

  • 普段料理をしない人でも、簡単で失敗なく、短い時間でできる

  • 見た目にもオシャレで、作るのも食べるのも楽しめる

  • 初対面のパパ同士の会話が弾むような素材選びと雰囲気作り

  • 育児休暇明けのママの健康への配慮から栄養のバランスを考えて素材を選定

当日までに、詳細まで計画を立て、お客様にも随時見てもらいながら準備を進めました。この日のメニューは以下の通り。40分という限られた時間の中で、全てを参加者に作ってもらうのではなく、一部は講師が説明をしながら実演してみせました。


参加者が作ったもの

  • ビーツのサラダ

  • デンマーク風オープンサンド

  • デザート(クレメダンジュ)


講師が実演・説明したもの

  • 若鶏のソテー

  • パプリカのロースト

  • きのこのクリームスープ


妊娠中不足しがちな鉄分が豊富なビーツは、そのことも調理法も知らなかったというパパたちに、良質のたんぱく質やビタミン類、ミネラルなどを豊富に含むクルミと和えてもらいました。


デンマーク風オープンサンドは、人気の北欧料理の入門的な料理ですが、火を使わずに、市販品を上手に活用しながら手早く仕上げることができ、週末ランチに最適です。ライ麦パンにクリームチーズを塗り、独自のアレンジトッピングで楽しめますが、この日は北欧の雰囲気が感じられるニシンの酢漬けやスモークサーモンを使いました。


デザートのクレメダンジュは、本来はフロマージュブラン(チーズの一種)を使いますが、手に入りやすいプレーンヨーグルトを水切りすることで代用しました。そこへ市販のホイップ生クリームを混ぜ、季節のフルーツをトッピングしてできあがりです。


テーブルを綺麗に飾り付けて、食べ始める少し前に、別室で先輩社員と交流していたママたちが部屋に入ってきました。予想外なオシャレな料理と、普段とはもしかしたら違うパパたちの勇姿に思わず感嘆の声「おしゃれ!」「美味しそう!」「いいなー!」「ずる〜い!」などの連発。違う会社に勤めるパパ同士での会話も弾み、和やかなひと時を過ごすことができて、産後の不安解消にもちょっとお役に立てたかと思えるイベントでした。



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