最近、ファミリーレストランや焼肉チェーン、カフェなどで、これまでとは違う光景が見られるようになってきています。多くの飲食店で、テクノロジーを利用した業務変革が進みつつあり、良く目にするようになってきた「配膳ロボット」もそのひとつ。この記事を読んでいる料理人の皆さんのお店でも、既にロボットの活用をし始めているところがあるかもしれません。
レストランロボットイメージ
業界の動き
飲食業界の深刻な人手不足に加え、「2021年度はコロナ禍により非接触・非対面サービスの需要が上昇し、飲食店や小売業などにおいて接客や案内業務でのサービスロボット導入が加速。特に配膳ロボットは実用レベルであることや、高い費用対効果から今後も導入の加速が続く」と言われています(引用:デロイトトーマツミック経済研究所、「サービスロボットソリューション市場展望」より)
既に、ロイヤルホールディングスは、2018年3月にカフェに、厨房から客席まで料理を自動で届ける配膳ロボットを導入。人や障害物をセンサーで感知しながら、一度に8人ほどの料理を運ぶことができるロボットです。
がんこフードサービス(大阪市)は、回転すしをはじめとして居酒屋から歴史的建築物を利用した「お屋敷」業態まで、大阪府を中心とした近畿地方、東京都、神奈川県にグループ全体で90店舗以上を展開している和食チェーンで、ここでも、配膳ロボットの活用を始めています。
さらに、すかいらーくグループでは、2022年末までに「ガスト」「しゃぶ葉」など2,000店以上にフロアサービスロボット(配膳ロボット)を置くことを発表しています。(引用:すかいらーくホールディングス2021年10月18日プレスリリース)
このフロアサービスロボットは、一度に複数のテーブルを回って料理を運ぶロボットのことで「顧客満足度の向上」と「働きやすい職場環境」を作ることが導入の目的とされています。
「顧客満足度の向上」という観点では、すかいらーくは、下記3点のメリットを挙げています。
お客様をお待たせしないサービス(1度に多くの料理を運べるため、サービス全体の効率化を実現)
サービス品質の向上(従業員がテーブルサービスレストランならではのおもてなしに集中することで、サービス品質を向上)
癒しの表情とトークで嬉しい体験(コロコロ変わる可愛いロボットの表情やトークで、お客様に癒しをお届け)
また、「働きやすい職場環境」という観点では、
フロアサービスを覚えやすい(ロボットとの作業分担により、新人従業員や外国人スタッフが業務を早く習得でき、多様な人財の活躍を推進)
作業負荷軽減(ピークタイムの歩行数は半分に。食器を運ぶ作業も軽減されるなど、シニアスタッフにも優しい)
採用難という中長期の社会課題への迅速な対応
を利点として挙げています。
食の分野においても、各会社がいろいろな新しい取り組みを始めており、食の業界で働く側にとっても、これまでとはまた違う新しい視点や柔軟な対応が必要になりそうです。
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